子どもたちのいない夏の夜・・・ムーミンママと姜尚中を思う
毎年恒例の子どもたちの一泊二日のキャンプ。
子どもがいないもんで、ちょっと自由な気分になり、
私は午後から、友達の家に遊びに行きました。
久々、ゆっくりした気分に浸って・・・
パパと二人きりの夕食を食べた後、
姜尚中の「在日」を読み上げました。
姜尚中は今やカン様と呼ばれる、ある種の女性達の憧れ的な存在。
NHKの日曜美術館でも渋いカン様のお姿を拝見できることが
私の最近の日曜日朝の楽しみでもあります。
ベストセラーになった「悩む力」という本は私にも読みやすかったけど、
この「在日」は、私の知らない近代史になかなか頭が付いていかず、
途中つい飛ばし気味になってしまい、カン様には申し訳ない気持ちに
なりました。でも、カン様のルーツを思い、胸を打たれました。
「ポジティブシンキング」、「マニュアルでhappy生活]・・・っていうような
短絡的な考え方が横行している世の中に異論を唱える、
カン様の筋の通った静かな佇まいにこころひかれます。
ムーミンのどこかさびしくて暗い影のある物語。
そして、「在日」にあるようなカン様の深い悩みの底・・・
なんだか似たような印象を持ちます。
姜尚中の「悩んで考えて・・・そしてその上で横着になっても良いじゃあないか・・・」
って、悩んで考えた人だからこそ説得力のある言葉に惹かれます。
それって、ムーミンの物語の暗さを突き抜けたような
ムーミンママのとぼけた面白さや強さやあったかさ
に通じるんじゃないかな?ってちょっぴり思う。
悲しみをこころの底に持ちつつ逞しく生きる・・・
その逞しさが私を引きつけるのだろうな。
そして、私にもあるその部分を、時々取り出して
深く味わいたくなるんだろう。
って書いた後、NHKの夏目漱石のイギリス留学に関する番組
を観ていたら、どアップのカン様にお会いできました。
留学っていうのは、与えられたものを学ぶ・・・というよりも
自分を掘り下げる作業・・・なのね。
いつか子どもたちも留学したいという時がくるかもしれない。
その時は暖かい気持ちで行かせてあげたいな。
できれば北欧なんかいいんじゃない?
親の興味関心は押し殺して、
その時は黙って行かせてあげねばな。