夢が教えてくれたこと

昨年末の話。
日々記憶があいまいになってきている大分のばあちゃんが
我が家に遊びにきて、私がいない間、留守番をしてくれた。
ダスキンがモップの交換にきてくれて、ばあちゃんが
交換して支払いまで済ませてくれていた。



帰宅した私が、新しいモップをみて、「ありがとう」と言うと
「さあ・・・何のこと?知らんよ・・・」とキョトンとしている。
「だってほら、領収書があるから支払ってくれたんでしょ」
というと、「あれ〜どうだったかな」と笑顔で考えている。



私はばあちゃんの物忘れ加減を確かめたくなって
「よく思いだしてみて・・・」と娘のいる前ではあったが、
ちょっとしつこく尋ねてみた。



「多分支払ったのは私だろうな・・・こんなところにお財布を
置いているのも変だから」という自分なりの推理の結果を
ばーちゃんは後で明るく報告してくれた。



翌朝、どこかで知らない人達と仕事をしている夢をみた。
みんなで専門用語を使いながら作業をしていたが、
私はあることをすっかり忘れて仕事の流れに支障をきたしてしまった。



明るく笑ってその大事なことを思いだそうとしたけれど、
なかなか思いだせない。
周囲の人たちは私の言動に不安を感じ、
その場の空気が変わったのが分かった。



「その物忘れはいつ頃からつづいているんですか?」と尋ねられた。
急に上から目線になった仲間の態度に、
胸をえぐられるようなショックを受けつつも、
私は明るく誤魔化し続けていた。
「昔からこんな感じだし、別に大したことじゃないのよ・・・」って。



朝起きてもその時の胸の痛みはまだ感じ取れた。
きっとばーちゃんはこんな気持ちを味わっていたんだろう。



思わずこの夢のことを小6の娘に話したら、
しみじみとつぶやいてくれた。
「ママ、その夢をみることができて良かったね・・・」っと



ホントだよね。
ばあちゃんの明るい笑顔の裏に、
こんな痛い思いがあったなんて・・・・。
我がこととして夢が教えてくれて
ホントに良かった。


娘が人の気持ちを感じ取れる人に育ってくれていて・・・
慰められた。