青い鳥 再考

チルチル・ミチルという貧困家庭の兄妹が、幸せを呼ぶ青い鳥を
探し求めて冒険するメーテルリンクの有名なお話。



豊川悦司様が昔この名のドラマの主役を演じていた。
しっとりした人間の深さが感じられる名演技で、
かのデーブスペクターさんも絶賛してくれていたらしい。



まあ、それはさておき、原作のチルチル・ミチルのお話は、
幸せは遠くではなく、身近なところににあるんだよ・・・という
教訓的だけどなんだかホッとするお話。。。。


。。。なんだと思い込んでいた。



でも本当は、違うんだって。
青い鳥を家の中で見つけたと思った瞬間に、鳥はスルッと手を離れ
羽ばたいてどこかへ遠くへ飛んでゆき、
「青い鳥がいないと僕たち生きていけないよ・・・」と
チルチル・ミチルが悲痛な叫び声を上げて終わる話なんだって。
最後に大どんでん返し。。。そうだったんだ。



子ども向けに書かれたこの戯曲で、メーテルリンクは超有名になり、
ノーベル賞を取ったそうだ。
冒険後、やっとつかんだ幸せなのに逃げていく。。。。
メーテルリンクはこの話を通して子ども達に何を伝えたかったのかな?



一つの幸せにしがみついちゃだめだよ・・・
次々と新たな課題はやってくるんだよ・・・ということを
教えようとしたのかな?
或いは、幸せなんてつかんだと思った瞬間に消えてしまうもの
なんだよ・・・と人生のつらさを伝えたかったのかな?



わからないけど、わからないから心にひっかかる。



実は、最近記憶を失いつつある大分のばあちゃんが
この本の真相に興味を持っていることを教えてくれたので、
私のひっかかりが拡がったのだった。



ばあちゃんが人生の後半に手に入れたと思った幸せは、
記憶の喪失と共にどんどん逃げていって・・・・
ばあちゃんのせつなさが私のイメージの中で拡がっていく。。。



青い鳥が逃げた後の冒険の先に、もう一度鳥と出会う場面が
あって欲しいと願う。



母の新たな青い鳥探しに加わって、
冒険の先を見届けたい気持ちになっている私です。